いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は「考える」ということ、いわゆる頭脳労働についてお話ししたいと思います。
子どもの考える力を育てるために、最も大切なことは何でしょうか。
もちろん、答えは一つではありません。
ただ、私が大切だと考えていることがあります。
それは、「考えることは、力仕事なのだ」と子ども自身に理解してもらうことです。
「考える」というのは、頭の中だけでする作業だから簡単なこと。
身体を動かすわけではないのだから、たいして疲れないだろう。
そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、本当にそうでしょうか。
実は、集中して考えることは、私たちが想像する以上にエネルギーを使う作業なのです。
1.考える力を鍛えることは筋力トレーニングと同じ
ここで、筋力トレーニングを思い浮かべてみてください。
筋肉を鍛えるためには、筋肉に適度な負荷をかける必要があります。
たとえば、10回から20回ほど持ち上げるのがやっとという重さのバーベルを使い、何度も上げ下げする。
当然、筋肉は疲れます。トレーニングを終えたときには、ぐったりすることもあるでしょう。
しかし、その負荷を繰り返し与えることで、少しずつ筋力がついていきます。
反対に、お箸のような軽いものを何度持ち上げても、筋力を大きく鍛えることはできません。
考える力を鍛えることも、これとよく似ています。
筋肉に負荷をかけて身体を鍛えるように、頭にも適度な負荷をかけることが必要なのです。
つまり、考える力を伸ばすには、頭を使い、考え抜く経験を積み重ねることが大切なのです。
2.成果が出ない子どもは「考える負荷」から逃げてしまう
これまで多くの子どもたちの勉強を見てきました。
その中で気になったことがあります。
なかなか成果が出ない子どもほど、頭に負荷がかかる難しい問題や、じっくり考えなければならない課題を避けてしまう傾向があるのです。
できるだけ簡単な問題を選ぶ。
すぐに答えを見てしまう。
少し考えて分からなければ、そこで諦めてしまう。
もちろん、難しい問題に取り組むことがすべてではありません。基礎を身につけることも大切です。
しかし、いつも簡単な取り組みばかりを選んでいては、考える力を伸ばす機会が少なくなってしまいます。
なぜ、子どもたちは難しいことから逃げてしまうのでしょうか。
私が一つの理由として考えているのは、「考えること自体が、頭に負荷のかかる作業なのだ」という自覚がないことです。
考えることに疲れるのは、決しておかしなことではありません。
むしろ、真剣に頭を使っているからこそ、疲れを感じることもあるのです。
3.考える力を伸ばすには、少しずつ負荷をかける
作家や研究者、エンジニアなど、長時間にわたって集中して考える仕事をしている人たちがいます。
そうした人たちにとって、考え続けることは決して楽な作業ではありません。
勉強に取り組む子どもたちも同じです。
「勉強」という、頭を使う作業に向き合っているのですから、できれば楽をしたい、少しでも早く終わらせたいと思うのは自然なことかもしれません。
だからこそ、保護者の方にも知っておいていただきたいのです。
腕力という「力」。
筋力という「力」。
そして、思考力という「力」。
さらに、定期テストや高校入試を突破するための学力も、一つの「力」です。
それぞれ種類は違いますが、どれも一朝一夕で身につくものではありません。
力をつけるためには、今の自分にできることから始め、少しずつ負荷をかけながら鍛えていく必要があります。
最初から大きな負荷をかける必要はありません。
昨日より少し長く考えてみる。
すぐに答えを見ず、もう一度自分で考えてみる。
分からない問題に、あと少しだけ向き合ってみる。
そんな小さな積み重ねが、考える力を育てていきます。
保護者の方からも、ぜひお子さまに伝えてあげてください。
そして、難しいことに挑戦している子どもの姿を、どうか温かく見守ってあげてほしいと思います。
考えることに疲れるのは、頑張っていないからではありません。
一生懸命に頭を使っている証拠かもしれないのですから。
それでは、ありがとうございました!
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